◆人間国宝と十四代目。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA柿右衛門窯の十四代目 酒井田柿右衛門は、平成13年7月に人間国宝として

重要無形文化財「色絵磁器」の保持者として認定されました。

十四代酒井田柿右衛門氏は、野山に咲く花や草を新たな文様としてとり入れ非常に繊細で美しい草花を描き、十二代目が復活させた江戸時代の「濁手(にごしで)」を発展させました。

現代的な作風と伝統的な柿右衛門様式の赤絵や余白の美を融合させるという新たな世界観を十四代酒井田柿右衛門氏は、世の人へ打ち出していったのです。

 

◆サントリー「響」とのコラボレーション

飲料品メーカーサントリーの「響」21年の限定ボトルを十四代目柿右衛門が平成21年に作成しました。

十四代酒井田柿右衛門氏が魂を込めて作成したフォルムに、柔らかく端正なフォルムに中国宋代から伝わる画題の蘭、竹、菊、梅の四君子が描かれており、有田の柿右衛門窯の優美さが表現されています。

スペシャルボトルコレクションで「日本の誇る匠の技 有田焼/九谷焼」のうちの1本として販売されました。その名前は「響35年 十四代酒井田柿右衛門作<濁手山つつじ文様酒瓶>」で価格は700ml・45%・¥1,000,000で限定150本でした。

 

◆海外でも評価された十四代酒井田柿右衛門

OLYMPUS DIGITAL CAMERA十四代酒井田柿右衛門は海外での好評でした。

展覧会参加は、昭和58年アメリカの「クローズ・アップ・オブ・ジャパン・イン・サンフラシスコ」に始まり、平成19年のイギリスの「大英美術館」参加まで、

様々な国での展覧会を行いました。

また最初に参加した「クローズ・アップ・オブ・ジャパン・イン・サンフラシスコ」では

サンフランシスコ市長より名誉市民号を送られるなど、十四代酒井田柿右衛門の活躍は、国内に留まることはありませんでした。

 

◆ななつ星と有田焼の柿右衛門窯

ななつ星in九州の洗面鉢が十四代酒井田柿右衛門の遺作となりました。

日本初のクルーズトレインである「ななつ星in九州」。

新たな人生にめぐり逢う、旅をコンセプトに掲げて博多を出発点に九州をめぐる寝台列車。

九州を回るコースは時期によって変わりますが、有田も停車駅の1つです。

その寝台列車の各部屋にある洗面所の洗面鉢は有田焼で出来ており、十四代酒井田柿右衛門の作品です。洗面所にあるエッチングガラスの繊細さと柿右衛門窯の優雅さが美しく融合しています。