有田にいくと金継ぎの職人さんもいらっしゃり、お気に入りや愛着のあるもの、思い出のあるものをお手入れしながら大切に使う、『もったいない』で代表されるような古き日本の良さを感じます。
漆で陶磁器の破片と、破片を接着して、埋めていったところを金で装飾する技法になりますので、割れたところははっきり言って目立つのですが、有田焼の青と、継ぎ目の金がマッチしてそこが味になり、さらにお気に入りの一皿になります。
金継ぎの歴史
金継ぎは日本独自の技法で、日本で茶の湯が盛んになった室町時代の茶道の世界から始まったと言われています。
壊れたものを修復するだけでなく、修復の過程で、新しく、美的価値を加え、モノの価値をも高めるという非常に興味深い技法であるといえるでしょう。
金継ぎされた茶碗は、見目が変わるので、茶碗自体の裏表が変わることもあるそうです。博物館で古い茶道具を見るときに、金継ぎをしているかどうかもチェックしてみるのも面白いと思います。
金継ぎが有名ですが、ご相談すると、銀継ぎや、共継ぎ(器と同系色で目立たない)も
ご相談できるところもあるので上手く活用してみるといいと思います。
次に、私なりの金継ぎ方法をお伝えしようと思います。
金継ぎのやり方
用意するものは、小麦粉、漆、地の粉、金粉、ヤスリ、カッター、マスキングテープ、筆、ヘラです。
最近だと金継ぎキットとかもあるので、キットを買うと手軽かもしれません。
①まずは、小麦粉をよく水で練ります。
ヘラを使って粘りが出るまで混ぜて下さい。
②ここに漆を加えます。これをよーーーく練ると麦漆の完成です!!!
これが磁器をくっつける接着剤になります。人によってはお米を使うかたもいらっしゃるみたいです。
③断面に丁寧に麦漆を塗って、ずれないようにそっと破片を貼り合わせます。
※破片のないところは地の粉と漆を練ったもので埋めていきます。
④乾燥させ、はみ出した麦漆をカッターで削り、平にし、さらにヤスリで削ってなめらかにしていきます。
この時、陶磁器を傷つけないように注意してください!
⑤継ぎ後に漆を薄ーく塗り、金箔をかけて、余分な部分を払い落とします。
⑥再度乾燥させ、乾いたら金を磨いて完成です。
漆は国内産だと高いですが、中国産等だと安くチューブでホームセンター等で売っているので意外に手軽に手に入れられます。
カシュー系の塗料を使った漆のようなチューブもありますので買う時ご注意ください。
自分で修復することで、陶磁器への愛情がさらに深くなります。
漆を使うので、触ってしまうとかぶれてしまったり、、、ということもありますが、
図工感覚で楽しく修復しています。
※漆は油溶性なので、漆がついた時は水道で洗いに行くのではなく、オイル等で拭き取るときれいに落ちます。
私はあまり凝った修復等は行わないのですが、フラットな金継ぎだけでなく、
金を盛り上げたり、割れ跡の金継ぎを利用して、イラストにしたりなど、
最近だと、金継ぎ講座とかもあり、
奥の深い世界なので是非皆様も試してみてください。