毎年ゴールデンウィークの期間に佐賀県西松浦郡有田町で開催される、陶磁器を販売するイベントです。

「有田焼、陶器の町」として知られる有田ならではの有名なイベントで2003年で100回目迎えます。

メインストリートの皿山通りでは、様々な陶器を扱う店が並び、100円を切る手軽な値段のものから何百万もする豪華なものまで幅広い価格帯の陶器が販売されます。開催時期には、早い店では朝6時過ぎから開き始め、一部の店は夜7時すぎまで営業が続けられます。

休日には20万人台、平日でも数万人の訪問客が押し寄せ、客側からすれといかに効率よく目当ての店にたどり着くかが課題になっています。

西九州自動車道が開通し、自動車によるアクセスが比較的容易になりましたが、波佐見有田インターチェンジからの連絡道路や、臨時駐車場が大変混雑しています。このため、初期の頃から最寄り駅まで臨時列車が運転されていた経緯があります。有田駅前にも、列車客向けの店が建ち並んでいます。

有田陶器市の歴史としては、1896年に香蘭社社長・九代深川栄佐衛門と有田磁器合資会社社長田代呈一を中心に「陶磁器品評会」が始まり、1915年の陶磁器品評会(現在の「九州山口陶磁展」)に併せて、地元の陶磁器店が在庫品や等外品の「蔵ざらえ販売」を始めたのがきっかけとなっています。第二次世界大戦後になると、半端モノや傷モノ、時には有田焼以外の低級品を含め、幅広く並べて安値で売るといったスタイルが確立されました。客側の目利きや、店側との駆け引きが楽しめるイベントとして発展してきました。現在では、この時期に向けて造られる若手作家の作品なども増えており、さらに幅広い商品層となっています。またfacebookなどのSNSのイベントページを活用した情報発信(例)や皿かぶり競走など、新しい観光としての取り組みも広がっています。

有田焼 用語辞典(目次)