生乾きの素地(きじ)に押印をしたり文様を彫ったりして凹凸の文様をつくり、異なる粘土を水にとかして泥漿にしたものを刷毛などで凹みにそって盛りあげ気味に塗り、乾いてから余分な色土をかき落とし、文様を表す、装飾法です。
象嵌(そうがん)による文様は筆書きよりも輪郭がはっきりしていて、硬くしっかりとした
印象を与えるという特徴があります。押印により場合は、繰り返し文様をつけていくことが
可能なので、その点では手書きより能率的であるという一面もありますが、余分な色土を
かき落とす作業があるため、刷毛目文様のような化粧土を用いて象嵌のような効果を出す等の工夫もなされています。
象嵌による文様表現が最も美しい形で完成したのは、12世紀の高麗青磁が最初です。灰青色の生地の上に、白土や黒土の化粧土が緻密な文様として埋め込まれています。こうした高麗青磁の技法は、李朝陶器に引き継がれ、この技術が、16世紀末から17世紀初頭に九州地方に伝わってきたといわれています。
ヨーロッパにおいても象嵌の技法は用いられており、、13世紀イギリスの「Chertseytiles」が早い方の一例です。
