丹波立杭焼(たんばたちくいやき)とも呼ばれ、兵庫県篠山市今田地区付近で中世から続いている陶器の総称です。

瀬戸焼、常滑焼、信楽焼、備前焼、越前焼と共に日本六古窯といわれ、平安時代から800年以上の長い歴史があり、その伝統は現在まで一度も途切れることなく続いています。

登り窯の中で、最高温度約1300度で50〜70時間もの時間焼いていくため、器の表面に降りかかった灰が釉薬と化合して『灰被り』とよばれる独特な模様と色が出るのが特徴です。

炎の当たり方によって一作品、一作品異なった表情が生まれることが魅力です。

中世には轆轤(ろくろ)を使わない紐作りという手法で形を整え、窖窯(あながま)といわれる独特の窯で釉薬を使わずに焼きしめられて作られていた歴史があります。

昭和53年に伝統的工芸品として国の指定を受けるに際し「丹波立杭焼」と登録されています。丹波、立杭は双方とも地名に由来しており、立杭の地名の由来は、鎌倉時代に小野原住吉社の社領の境界に植えられた標木を立杭といったことであるといわれています。

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