伊万里焼は、佐賀県有田町を中心とする肥前国(現代の佐賀県および長崎県)で生産された磁器の総称をいい、有田焼の製品のほか、三川内焼、波佐見焼などを含んだものを指します。

これは、現代のように宅急便や空輸などの手段もなく、有田から伊万里港までは車で20~30分ほどの距離であり、比較的近いこと、また伊万里港は海底が深いため大きな船も着けることができたため、肥前地区で焼かれたやきものがすべて伊万里港から積み出されたためであり、伊万里港を経由して消費者のもとへ届いた時には、すべてが「伊万里焼」総称されて、国内のみでなく、世界的にも知れ渡っていきました。

有田地区の製品を「有田焼」、伊万里地区の製品を「伊万里焼」と呼び分けるようになったのは、輸送手段が、船に変わって鉄道となってからのことであり、研究者はいわゆる「伊万里焼」を「肥前磁器」と呼ぶことも多いです。

有田焼 用語辞典(目次)