鹿児島県薩摩・大隅地方に産する陶磁器の総称。

文禄の役(朝鮮出兵)の際、薩摩藩十七代藩主 島津義弘が朝鮮から80余名の陶工を伴って帰ってきたことより始められました。1598年(慶長3年)薩摩の地に上陸した李朝陶工達は各地に窯を開きました。主な窯場は姶良市の龍門司窯、日置市(旧東市来町)の苗代川窯、鹿児島市の長太郎窯などです。「白もん」と言われる磁器は藩主御用品として一般の人の目に触れることのなく発展していきました。「白もん」の特徴は、豪華絢爛な色絵錦手で、象牙色の肌に細かい貫入(ひび)が入り、繊細華麗な錦手や金襴手の上絵、精巧な透彫りがほどこされた豪華な磁器になります。

「白もん」に対し、「黒もん」といわれる黒薩摩は庶民の為の生活の器として生まれ、漆黒の光沢と素朴で剛健な温もりを感じさせる焼き物になります。

作風に関しては多様でしたが、江戸末期以降は色絵が主力となっています。

 

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